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大阪地方裁判所 昭和54年(ワ)6455号・昭50年(ワ)5419号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【説明】

本件土地は、別紙図面のの各点を順次直線で結んだ線内の土地(139.800平方メートル)であり、本件建物の本来の敷地部分と認められる範囲は、別紙図面のの各点を順次直線で結んだ線内の土地(226.573平方メートル)(別紙目録(七)記載の土地)である。原告Xは、被告Y1から本件建物を賃借していたが、これに付随して、本件建物の敷地に接続する本件土地の専用的使用を事実上許され、本件建物の賃料の中にも、本件土地の借地料相当額と推認し得る額が加算されていた。判示に関係のある争点は、本件土地の使用契約を民法六一七条により解約し得るか否かの点である。

【判旨】

4 以上1ないし3の認定事実によると、まず本件建物の本来の敷地部分は、別紙目録(七)記載の範囲であり、本件土地部分はこれに含まれないものと認められる。

何となれば、本件土地は、当初被告国において貝塚の生垣で区画した別紙図面表示、の線及びこれをまで延長した線より北側の別紙目録(七)記載の範囲の土地とは独立した空地であつて、本件建物の使用収益上、物理的にも経済的にも、これに付随して使用することを必要とする土地ではなく、ただこれに隣接する空地であるため被告国が原告に対し、その専用的な使用を許し、これが建物賃料算定上の加算要素とされていたに過ぎないものであり、原告の使用形態も農作物の耕作や駐車場とするなど、住居用建物敷地としての用途とはかなり異なつたものであつて、本件建物の賃貸借契約に伴ない生ずる本件建物の合理的な建物使用と不可分な敷地使用権をとうてい及ぼし得ない範囲とみなければならない(原告が本件建物で営む理髪店の客用駐車場として本件土地を利用することも、本件建物の使用と不可分な土地利用方法というには当らない。)。

よつて、本件土地が本件建物の本来の敷地に属することを前提とする原告の主張はまず理由がない。

5 ところで原告は、前記のとおり本件土地につき被告国より本件建物の賃貸借契約の一環として、その専用的使用を事実上許され、本件建物の賃料中にもその範囲の国の借地料相当額と推認し得る額を加算されていたから被告国は被告斎藤からの賃借地の一部である本件土地部分を、原告に対し本件建物賃貸借契約に付随してその使用を承認していたものということはできるけれども、前記2(三)に認定のとおり、被告国は昭和四八年三月二六日付書面で本件土地部分の返還を求め、右使用承認を取り消したものと認め得る。

判旨しかして、前記被告国が本件建物の賃貸借契約に付随してした本件土地部分の使用承認は、前記本件土地が本件建物の本来の敷地ではないことその他前認定の事実に徴すれば、その使用の対価を本件建物の賃料に加算していた事実があつたにせよ、その部分につき、単に建物所有を目的としない通常の賃貸借契約を超える強固な使用権原を、付与したものと認めることはできないから、被告国は本件建物賃貸借契約の存続中であつても、民法六一七条に準じ、この部分だけを分離して解約の申入をなし得るものと解すべきであり、被告国の主張によるごとく、右返還請求によつて、本件土地に関する右使用関係も遅くとも昭和四九年三月末日頃には終了したものと認めるのが相当である。

(潮久郎 大和陽一郎 吉田京子)

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